2024/05/27 17:36
YAATREE COFFEEが4年目を迎えた記念に、イラストレーターのオノゴスさんにデザインを依頼し、新しいアイテム「TENUGUI ・ いつもの」が完成しました。手ぬぐいには、想いを重ねるものづくりの精神が強く感じられます。人の温かさを感じさせる昔ながらの染め技法を最大限に生かし、新たな個性を加えて現代にふさわしいかたちで伝えたい。手ぬぐいの制作をお願いした工場は、大阪の堺という町にある染め工場「株式会社ナカニ」。大阪で昔からつくられている「注染」と呼ばれる技法でつくっていただきました。
注染は、何枚ものさらしもめんをじゃばら状に重ね合わせ、染料を注いで染める技法です。想いを重ね合わせるように丁寧にじんわりと染め上げていきます。染料を一番上のさらしもめんから注いで、職人さんが足のペダルを踏み込むことで染料を一番下のさらしもめんまで浸透するように吸い込む。
この一連の所作は、ずっと見ていられるほど素晴らしい職人技です。
この景色に辿り着くまでに、デザイナーさまと色々と話を詰めていきました。デザインや配置、色を決める。特に注染は、色のにじみや「ぬすっと」、「色がはしる」ということが起こります。「ぬすっと」とは、色の違うデザインの構図が近すぎると、隣り合った色を盗んでしまい出したい色を邪魔してしまいます。「色がはしる」とは、手ぬぐいの端の部分は繊維の特性上、繊維をつたって縁の部分に色が広がってしまいます。人の手でつくられる伝統技術。じわっとしたにじみやゆらぎが生まれ、全てをコントロールできない注染は、ひとつとして同じものができません。だからこそ、「アジ」となりまた良さになります。
日々、使うほどに風合いもうまれ、繊維一本一本が立ち始め肌触りも良くなってきます。
手ぬぐいは、ほんの少し前まで日常で当たり前のように使われていた道具のひとつです。
速乾性に優れ、かさばらない手ぬぐいは、日本の文化や暮らしに馴染み、近年では山登りやハイキングに行くときには欠かせない存在となっています。
山小屋でも、それぞれの特徴を活かし様々な可愛い手ぬぐいが販売されています。
「いつもの」に込めた想い。
このネーミングには、日常的なものが特別な存在になるようにという願いが込められています。身近なものやお気に入りのアイテムを指します。コーヒーや手ぬぐい、お気に入りのギア、音楽など、日常にある存在がそう呼ばれます。
手ぬぐいのデザインは、便利な世の中だからこそ、不便を楽しむ時間が最高の贅沢だという考えから生まれました。
美は生活の中にあるという民藝の真髄にも触れ、懐かしく温かみのあるデザインです。
「民藝とは」民藝は、美術品に負けない美しさを持ち、美は生活の中にあると語ります。各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には「健全な美」が宿っているとし、新しい「美の見方」や「美の価値観」を提示しました。
これは、工業化が進み、大量生産品が生活に浸透し始めた時代背景とも関係しています。何度か染工場を見学するうちに、失われつつある日本各地の「手仕事」の文化をつなぎ、より良い生活とは何かを考えるきっかけとなりました。
ーTENUGUI・いつもの ー
〔サイズ〕約37×90cm
〔素材〕綿100%
DAYTIME
降り注ぐ太陽の光のもと歩くのは、とても気持ちが良い。山を歩くと太陽のエネルギーを強く感じる。暑くなれば、木陰で涼む。仲間の中に超がつくほどの雨男もいるけれど、やっぱり晴れの日に歩きたいものだ。(カラフル)
MIDNIGHT
辺りは真っ暗。そんな中、ヘッドライトを点けて山を歩く。静寂の中に夜行生物の気配を感じながら、恐怖と冒険心が渦巻く。山頂に到着し、地球が目覚める瞬間、マジックアワーという贈り物が待っている。(アースカラー)
DURING TWILIGHT
アコークロー(黄昏時)。夕陽が沈むその瞬間、空が輝く。夕陽が沈む幻想的なひとときは、人を魅了する。一日歩いてきた軌跡を振り返り、充実感と寂しさ、そして明日への胸の高鳴りが交錯する。(イエローベース)
3パターン共にデザインは同じですが、色の違いがあります。
それぞれにストーリーがあります。
DAYTIME
MIDNIGHT
DURING TWILIGHT
みなさまの「いつもの」にしていただきたいです。